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中国水稲研究所では、深刻化する中国の食糧不足問題に対処するために、穀物節約型の牧畜業の推進を呼びかけている。その具体策として、植物の成長速度、栄養価の度合いに応じた収穫を行い、限られた食糧を効率的に利用していくことを提唱している。
<本文> 中国水稲研究所のある高級研究員は「もし『人も家畜も同じものを食べる』という伝統が今後も変わらなければ、中国の食糧不足問題はこの先長期に亘って存続するだろう。」と断言している。杭州にあるこの国家級の研究所では、現在中国政府の支持を受けながら「限りある土地で如何にして更に多くの人口を養っていくか。」というテーマに取り組んでいる。研究グループの責任者である蒋玉銘研究員は、中国と全ての発展途上国に向けて、穀物節約型の牧畜業を推進するよう呼びかけている。 農業部飼料弁公室の試算によると、目下中国の食糧総生産量のうち約30%が飼料として用いられている。中国の農村の人々は「豚にも同じ粥を、鶏にも同じ栗を」というやり方に慣れており、このような『人も家畜も同じものを食べる』という風土は今日でも依然として広く行き渡っている。中国の牧畜業の将来については、結局のところ中国の食糧事情がその鍵を握っている。従って、人口は多いが耕地は狭い、人は増えるが土地は減っているという現状から食糧事情が悪化する中、牧畜業の見通しもこの先益々暗いものとなることが予想される。「まして、中国の一般庶民の生活条件は日増しに改善されており、その分肉類の消費量も増えている。よって飼料用穀物の消費量も益々増加している。」と蒋玉銘は指摘している。 専門家は、中国の牧畜業はオーストラリアやニュージーランド、モンゴル等と違って、牧草だけに依存していては立ち行かないと考えている。なぜなら中国は国土の40%の面積が草原で占められているが、そのような地域では日照と寒波が原因で土地が痩せている上に、インフラの整備が及ばない等の理由から、既存の牧草では家畜しか養っていけないというのが実状である。 そこで最も中国の国情に合っているのが穀物節約型の牧畜業である。関係する専門家が紹介するところによると、このような穀物節約型の飼料(葉や茎)は殆ど全ての植物から採取することができる。そしてこれらの植物は成長の中・後期に栄養価が最も高くなるとされており、専門家はそれらを「緑色栄養体飼料」とも呼んでいるが、このような緑色栄養体飼料の利用することによるメリットは、従来の穀物飼料に較べて格段に大きいということである。 このような穀物節約型牧畜業は、植物の成長速度が「前期に遅く、中期に早く、後期に遅い」という規則性に基づく研究をもとに発表されたもので、それはこれまでの様に作物が成長・成熟した後で飼料にするというものではなく、作物の成長速度が快速時から緩慢時に移行する時に直ちにそれを収穫して家畜の飼料にするというものである。 緑色栄養体飼料の主なメリットは以下のとおりである。 @成長前期では植物を比較的密生させることができ、光を受ける葉の面積が拡がる。 A作物の植え付け回数を増やし、1年を通して充分に光、熱、水、土、空気、生物等の資源を利用することができる。 B光合作用効果の最も高い成長中期を効果的に活用できる。 C作物の細胞内に蓄積された栄養物質が最も豊かとなるのは成長中期末である。 研究成果によると、緑色栄養体飼料の生産によって、既存の穀物等の飼料に比べて栄養素、例えばタンパク質、脂肪、炭水化物の含有量が2〜4倍に増加する。即ち1ムー(0.067ha)の土地の利用価値が2〜4倍に増えるのと同じことになる。 蒋玉銘は「もし現在の中国の飼料穀物の作付け面積の3分の1を栄養体飼料用に変えることができたら、これまでの飼料穀物に比べ主要栄養素を0.6〜1.7億トン増産させることができるであろう。」と語っている。 |